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イタリア旅行記Ⅸ (アムス~帰国)

Category : イタリア旅行記
《帰国の朝》
 6月16日、いよいよ帰国の日が来た。午前中に再びアムステルダムを散策した。












《盗難寸前!》
 午後になり、ついにアムステルダムにも別れを告げて、スキポール空港行きの列車に乗り込んだ。無事に旅を終える安心感から、僕はカメラを列車の窓下にあるテーブルに置いて、景色を眺めていた。列車はとても空いていて同じ車両には離れて2人ほどが乗っているだけだ。オランダの列車はとても快適、イタリアと違って車内アナウンスもあり親切だ。





 スキポール空港のひとつ手前の駅に列車が停まった時、ある事件が起きた。駅のホームにいた中年の男が外から僕の座席の窓をたたき、窓を開けてくれるように頼んでいる。何だろうと思いながら窓を開けると、英語で「この列車は空港行きか?」と、わかりきった質問をしてきた。しかし僕が「そうです。」と答えるよりも早く、その男は立ち去ってしまい、列車は何事もなく動きだした。何だったのだろうと思ったが、あまり気にも留めずにいると、やがて今度は列車の乗務員が声をかけてきた。検札かと思い切符を出そうとしたが、そうではないらしい。

乗務員:「ひとつ前の駅で停車したとき、あなたの後ろに男が潜んでいましたよ。」

僕:「えっ!」

乗務員:「あなたのカメラを盗もうと狙っていたんです。」

僕:「えっ、本当ですか?」

乗務員:「本当です。何も盗られていませんね。」

僕:「はい、大丈夫です。」

乗務員:「では、気をつけてくださいね。」

 どうやら僕がホームの男に気を取られている間に、車内にいたもう一人の仲間の男が背後から僕のカメラを狙っていたということらしい。たまたま僕があまり外に身を乗り出さず、しかもカメラのストラップに少し手を掛けていたため、背後の男は盗みを断念したようだった。事なきを得て本当によかった。カメラの中には旅路で撮影した約600枚の写真入りのメモリーカードが入っていた。もしそれを盗られていたらと思うと、身の竦む思いだった。旅を終える直前に遭遇した予期せぬ危機だった。




《旅を終えて》
 アムステルダムのスキポール空港から約11時間で、飛行機は無事に関空に到着し、ついに僕の旅は終わった。出雲への帰路、10日ぶりに見る宍道湖の風景をなにか懐かしく感じながら、この旅を想起した。
 イタリアでもオランダでも、その風景のすべてが、初めて触れる新鮮な感動とともに僕の目に飛び込んできた。僕の生まれるずっと前から、そしてこれまでの自分の人生に並行して、知らないところで存在し続けてきた街や風土や人々の暮らしに、初めて関わりを持つ不思議で刺激的な体験の連続、ひとことで言えばそんな旅だったというか、旅とはそういうものだろうと思う。またいつかこんな旅をすることができるだろうか・・。長い間狭い地域で仕事と受験に追われて閉ざされた生活をしてきた僕にとっては、ことさらに広い世界を感じた旅だった。そしてまだ僕が関わりを持っていない土地や文化や人々が、この地球の至るところに存在している。これからどれくらいそれらに触れることができるだろうか。その体験をすることができる唯一の手段、それが旅だということに改めて気づいた貴重な10日間だった。



 旅は人生をより豊かなものにしてくれると思う。日本でまた始まった日常の暮らしの中にあっても、そのことは忘れないだろうと思う。

 《 おわり 》

2007/7/1 Tomo

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テーマ : ★イタリア旅行★
ジャンル : 旅行

イタリア旅行記Ⅷ (ヴェニス~アムス)

Category : イタリア旅行記
《アムスの好青年》
 6月15日、いよいよヴェニスを発ってアムステルダムに向かう。イタリアともお別れだ。
 ヴェニスのマルコポーロ空港からアムステルダムまではKLM機で約2時間、とても近く感じてしまう。午後3時ごろ、無事にアムステルダムのスキポール空港に到着。とりあえずこの街の中心地に向かうため列車に乗り込んだ。初めてのアムステルダム、不安を抱えながら列車の中でガイドブックを開いていると、隣に座っていたハンサムな青年が話しかけてきた。「中央駅で降りるんですか。次の次ですよ。」
停車するたびにホームの駅名表示を確認している僕の様子を見て、親切に教えてくれたのだ。彼は同じ中央駅で降りたあとも、僕が利用するホテルまでの道のりなどを細かく丁寧に教えてくれた。旅先でこうした好意に触れると、無性に有難く感じ、いつまでも心に残るものだ。中央駅を出たところで丁重に礼を言って別れたが、連絡先を聞いておけばよかったと後悔したのだった。



《アムステルダムの街》
 列車で出会った好青年のおかげで難なくホテルにチェックインし、早速アムステルダムの街に出て写真散歩を開始した。さすがオランダの首都、綺麗な街だ。北のヴェニスとも言われるだけあって、運河と街並みが見事に調和しているが、やはり元は沼地だったため、ヴェニスと同じように地盤沈下と戦いながら発展してきた街だという。
 アムステルダムを訪れたのはKLMのスキポール乗り継ぎ便を利用したためであり、当初は立ち寄る予定がなかったため、僕はアムステルダムについての予備知識を持たないままにここに来てしまったのだったが、予定もしていなかった見知らぬ街をこうして歩いていると、不思議と心地よく冒険心を刺激される。




















 アムステルダムとヴェニスの運河を比べてみていつくか相違点に気づいた。まず、これは単純だが、ヴェニスの運河はすべてが海水で、アムステルダムのそれは淡水だということ。これ一つを見ても海の中に散在する干潟地帯をつなぎ合わせて発展したヴェニスの特殊性が表れていると思う。次に、ヴェニスの運河は、観光用というよりも、主に交通用の水路で、常に水上バス(ヴァポレット)や水上タクシーが行き交っているのに対し、アムステルダムの運河は現在では主として遊覧のために利用されているということ。船と徒歩以外に交通手段がないヴェニスと違い、車、バイク、自転車、それにトラムという路面電車が行き交うアムステルダムでは運河を交通用に利用する必要がないのだ。




































 もうひとつ驚いたのはアムステルダムの陽の長さだった。イタリアでは午後8時半ごろまで明るく、これにも十分驚いたのだが、アムステルダムではなんと午後10時でも明るいのだ。体は時間相応に疲れているのに、その明るさに惹かれて外で写真散歩を遅くまで続けたため、体は負担を感じていたと思う。11時ごろになってようやくアムステルダムは夜陰に包まれた。


















 アムステルダムに来て思ったことがもうひとつ。オランダ人はイタリア人と比べると総じて丁寧で親切な国民性を持っているような気がする。列車の好青年の影響も少しあるのかもしれないが、ホテルや空港での接客態度に、イタリアではあまり感じなかった品のよさがあった。ホテルの設備や街の交通網なども行き届いていて日本に近い印象を受けたのだった。


《旅行最後の夜》
 ホテルに帰り、この日の日記を書き終わると、極端な疲労感を覚えてベッドに倒れこんだ。襲ってきた眠気と戦いながら、終わろうとしているこの旅のことを振り返ってみた。初めての不安な海外一人旅だったけど、とても素晴らしい旅だった。その旅が終わってしまうことが残念だったが、その反面、日本に帰ることを嬉しくも感じている。やはり喋り慣れない英語を使い、様子のわからない異国で過ごした9日間に僕の心はかなりの疲れを帯びたらしい。旅の興奮はついに過ぎ去ってしまうが、異国で感じてきた不便からは明日解放されるのだ。さあ、日本に帰ろう! そんな未練と安心感が交錯する中で、最後の夜は更けていった。




 次回へつづく・・・。

テーマ : ★イタリア旅行★
ジャンル : 旅行

イタリア旅行記Ⅶ (ヴェニス2日目)

Category : イタリア旅行記
《ヴェニス2日目》
 6月14日、ホテルで朝食を取ったあと、カメラを持ってヴェニスの街に繰り出す。この日の朝はイタリアに来て初めて雨が降っていた。一時は大降りになり少しひるんだが、雨に濡れたヴェニスの石畳というのもなかなか趣があるものだ。






 幸い1時間ほどで雨は上がり、気持ちのいい日差しが出てきた。サン・マルコ広場のガラス細工屋さんなどを物色していて僕はふとあることに気づいた。この旅も終わりが近づいてきたというのに、まだお土産をひとつも買っていない! イタリアまで来て、手ぶらで帰るわけにはいかないじゃないか。写真散歩の続きをしようと思っていたこの日の目的は急遽、お土産を手に入れることにすり替わった。ヴェネツィア本島、特にサン・マルコ広場周辺にも、ヴェネツィアングラスを扱うお店は多くあったが、ガラス細工を買うのならやはりガラス職人の工房と直売店が集まると聞くムラーノ島しかないだろうと思い、早速外回りのヴァポレットに乗って海に出た。








































 ムラーノ島に上陸すると、船着場周辺から街路沿いにズラリとガラス細工店が並んでいた。海上貿易の覇権を失い衰退期にあったヴェネツィアでも、このガラス細工は周辺国において高い人気を誇っていたのだそうだ。商人の街ヴェネツィアの経済を支え続けた品物だけあって、どの店に入っても魅力的なガラス細工が並んでいる。街路の中ほどにあった日本語の上手なイタリア人店主がいる店に親しみを感じて、いくつかのガラス細工を購入。とはいえ残り少ないスーツケースの空きスペースに納めるため、また価格の面からも大きな品物でなく、小物ばかりだったが。
 ムラーノ島を後にして再び船でヴェネツィア本島に戻る。夕暮れが近づき、リアルト橋の袂でヴェネツィア最後の写真を撮った後、お馴染みのヴァポレットに乗ってホテルへ。最寄りの停留所で船を降りてホテルに向かう迷路のような夜道も、もう迷わずに歩いている自分が少しヴェニスの住人に近づけたように感じて快かった。










《イタリア最後の夜に》
 ローマ、ピサ、フィレンツェ、そしてヴェニスと泊まり歩いた8日間も終わりに近づき、これがイタリアでの最後の夜、明日の朝にはヴェニスの空港に向かい、アムステルダムに発つのだ。最初は戸惑いの連続だったこの国での滞在にもようやく慣れてきた頃に、もう出国しなければならないことが少し心残りでもある。自国の便利さと丁寧さ、そして安全さに慣れ親しんでいる日本人にとっては、イタリアという国はそれほど住み心地がいいとは言えないのかも知れないが、都会の街並みに漂うアーティスティックな雰囲気と、トスカーナの街や自然の風景は味わい深く、この国の文化とともに受け継がれてきた欧州独特の美意識は、僕のような東洋人の目にはとりわけ優雅に映るのだった。そしてずっと想像の中で描いていたヴェニスの街、実際のヴェニスは想像以上に個性豊かで興味深く、しかも美しい街だった。紛れもない水の都、その景色や風情はどの街よりも秀逸で、深く僕の心に刻まれた。




 さあ、明日はいよいよイタリア出国、この旅最後の訪問地、アムステルダムへと向かう。


 次回へつづく・・・。

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イタリア旅行記Ⅵ (ヴェニス1日目)

Category : イタリア旅行記
《フィレンツェからヴェニスへ》
 6月13日、この日はフィレンツェを出ていよいよヴェニスの街へ向かう日だった。朝、もう一度フィレンツェの街全体を見渡せる場所から写真を撮りたかったため、ミケランジェロ広場まで歩こうと目論んでいたが、ここでも足の状態の悪さから断念するしかなかった。午前中サンタ・マリア・ノヴェッラ駅の構内で、午後12時37分のユーロスターを待つ。



 出発の1時間ほど前からこのユーロスターを駅の表示板で確認できたため、あとはプラットホーム番号が点灯するのを待ってそのホームに向かうだけだと安心していたが、ここでまた予期せぬ出来事が起きてしまうのがイタリアという国。出発5分前になってもまだプラットホーム番号が点灯しないのだ!! 20を超えるホームがあるSMN駅、ユーロスターがいったいどのホームから出発するのかがわからない。焦って近くの駅員に聞いてみたところ、「出発が遅れているからもう少し待ってくれ」との回答だった。始発駅なのになぜ出発が遅れるのか?なぜ出発ホームさえも表示されないのか?イタリアの鉄道にはいつも惑わされてばかり。しかし遅れを気にもしていない現地人の様子からも、時間に対する正確さを重視しないイタリア人の国民性を感じ取ることができる。結局出発時刻を過ぎてようやくホーム番号が点灯、急いでホームに駆けつけ、あわただしく乗り込んだ。
 荷物を上げ、座席に腰掛けると落ち着きを取り戻し、窓の外を見ながらフィレンツェの2日間を回想した。イタリアに来てから6日間が経ち、少しこの国で過ごすことに慣れて来たのだろうか。僕はフィレンツェという街を心の余裕を持ちながら味わうことができたような気がした。なんと優雅な街だったろうか・・。ローマよりも落ち着いていてピサよりも芸術性が高く、またシエナよりも活気ある街、とても洗練された文化を育む街という印象を受けたのだった。もうフィレンツェともお別れ、いよいよヴェニスへ出発だ! 列車は15分遅れでようやく動き出した。


《ヴェニスという街》
 フィレンツェから約3時間ほどで列車はヴェニス、サンタ・ルチア駅に到着。駅から出てみると、目の前にあったのは道路ではなく水路だった。いままで想像しかできなかったヴェニスの街が今目の前にあることに興奮が高まった。潮の匂いの混じる心地よい空気を胸いっぱいに吸い込み、しばらく水路と行き交う船を見ていた。




 まずは徒歩でこの街の景色を楽しみながらホテルに向かおうと歩き出したのが間違いだった。方向感覚には多少の自負がある僕だが、駅前の橋を渡ってしばらく歩くと、既に方向を見失っていた。それでも地図と首からぶら下げている方位磁針とを駆使して少しずつ目的の方向へ進もうとするが、歩けば歩くほどどこに居るのかがわからなくなる。なんだこの街は! まるで迷路じゃないか!! 建物と水路が織り成す素敵な風景を楽しむ余裕がだんだん無くなってくる。












 重い荷物を引きずりながらヴェニスを彷徨うこと1時間半ぐらいだったろうか。ホテル付近まで来ているが、肝心のホテルが見つからない。仕方なく近くのリストランテの店員にホテルの場所を聞いてみたところ、目の前の角を曲がったところにあることがわり、ようやくチェックインすることができた。
 荷物を置いて身軽になると、早速カメラを片手にヴェニスの街に繰り出した。サン・マルコ広場、ドゥッカーレ宮殿を見学したあと、高い場所からこの街を撮ろうと鐘楼に登る。鐘楼の天辺から見下ろすヴェニスの風景はフィレンツェにも引けを取らない美しさ。四方を海に囲まれた干潟の島をつなぎあわせて少しずつ開発し、果てしない苦労の末に築かれたこのヴェニスという街の景色に深く心打たれる思いだった。
















 大荷物がなくなり、周囲に目を配りながら散策しているうちに、迷路のようなヴェニスの街にも少しずつ慣れてきた。狭い石畳の通路をゆっくり歩き、気の向くままに角を曲がり、水路に架かる小さな橋をいくつも渡りながら街撮りを楽しんだ。世界中探しても、こんな特殊な街があるだろうか! 水路と通路に囲まれる高い建物、そして所々に点在する美しい広場と教会。どこにカメラを向けても絵画のような情景を醸し出す街。まるで全体が芸術作品のような雰囲気を持っている。道路というものがなく、その代わりに無数の水路がある。当然車など1台もなく、その代わりに無数の船が水路を行き交う。人の力は計り知れない。海の中にこんな街を造ってしまうのだから。
























 地図と方位磁針を頼りに再び駅まで戻り、食事をした後で初めて乗り合い客船ヴァポレットのチケット(48時間券)を購入した。このヴァポレットはヴェニス観光には欠かせない乗り物で、街を逆S字に流れる大運河や周囲の島々へのルートに就航し、番号に応じて決められた停留所に止まる複数の路線があり、制限時間内は乗り放題と便利なのだ。


↑ヴァポレット









 駅前の停留所から1番(各駅停船)のヴァポレットに乗ってホテルに帰る。徒歩で迷いつつ1時間半かかった道のりだったが、船上から夜の街並みを楽しみながら約15分でホテルに到着。ヴェニスの1日目が終わった。


 次回へつづく・・・。

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イタリア旅行記Ⅴ (フィレンツェ)

Category : イタリア旅行記
《ピサのインターネットショップ》
 6月11日朝10時前、ピサのホテルをチェックアウトして、そのすぐ近くにあるネットショップに立ち寄る。ここではローマのお店同様に日本語入力することはできなかったが、このブログを英字の題名にしているため、容易に検索・アクセスすることができた。早速その場で前日に訪れたシエナの写真をアップした。
 イタリアのネットショップは日本で言えばインターネットカフェに当たるものだが、利用者同士の仕切が無く個室性が弱い。長机の上に等間隔に並べられたコンピュータにそれぞれ座って利用し、飲み物などのサービスはなく、自動販売機が1台置いてある程度であるため、カフェという言葉は当たらない。それにしてもイタリアの街にはほとんど自動販売機というものがないため、それが置いてあるネットショップというスペースは充分斬新に見えたりもする。

《フィレンツェへ》
 ピサ中央駅から昼過ぎの普通列車に乗っていよいよフィレンツェに向かった。約2時間ほどでフィレンツェ、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着、徒歩でホテルに向かう。前日に最悪の状態だった両足はマッサージが効いたのか一夜明けると少し回復しているようで、かなりホッとする。
 ホテルはかなり駅から遠かったが、アルノ川沿いの閑静な場所にあり、くつろげそうだ。しかもなんとスイートルームに近い造りの部屋でバス・トイレが2ヶ所ずつあり、ベッドもダブルサイズ。昔の建物らしく高い天井も気に入った。この旅のホテルの中でも、このフィレンツェのホテルが最も快適だった。 チェックイン後早速フィレンツェの街に繰り出し、写真散歩を開始した。





 ローマなど他の街にもいえることだが、フィレンツェという街は特に有名な寺院や美術館といった名所が狭い範囲に集まっていて、徒歩の観光客に優しい街だ。まずはどうしてもこの街を高い場所から撮影したくなり、フィレンツェ(フィオーレ)大聖堂の横にそびえるジョットの鐘楼に登ることに。しかし、ここにはエレベーターがなく、最上階までには414段の石段が待っていた。前日から少し回復を見せていたとはいえ、疲労が蓄積している足腰には厳しい負担だったが、息を切らしながら登った最上階から見るフィレンツェの景色は絶景としかいいようがなかった。苦労は報われるものだとひとり感動しながらそこからの撮影を楽しんだ。414段という石段に恐れをなしてか、この鐘楼に登る人は少なかった。

















 フィレンツェ大聖堂、シニョーリア広場、ヴェッキオ橋と見学したところで、夕暮れが近くなった。この日シニョーリア広場のジェラート屋で間違えて1800円ぐらいもする巨大なメロン味のジェラートを注文してしまい、結局食べきれずに放棄するという失態を演じた。





































 ヴェッキオ橋の両側にずらりと並ぶ宝石店は、ガイドブックなどで知っていたとはいえやはり圧巻だった。ショーウィンドウの宝石を鑑賞しているうちに、いよいよ夕日が沈む頃となり、あわててヴェッキオ橋の中程にある見晴らしの良い場所を確保した。フィレンツェのアルノ川に沈む夕日をヴェッキオ橋の上から撮影する。これが最初で最後かも知れないと思うと感慨深かった。







 翌日のためにウフィッツィ美術館の入場口を確かめてからホテルに帰り、フィレンツェの第1日が終わった。


《フィレンツェ2日目》
 6月12日、この日はフィレンツェで最も権威のある美術館ウフィッツィを見学することに。考えてみればイタリアに来てから、まだゆっくりと有名な美術館で絵画を鑑賞したりしていないではないか。街並み写真撮影に夢中になるのもいいが、やはりイタリアルネッサンスの真髄といわれるウフィッツィ美術館だけは見学しなければと心に決めていた。
 この美術館、連日入場待ちの長い行列ができるとの情報を得ていたが、予約制度があるということを知らなかった僕は予約をしていない。そこで開館時間8時15分の1時間前ならなんとかなるだろうと、朝7時20分ぐらいに入場口に行ってみた。すると、そこに居た入場待ちの客はわずか5人程度、これならば開館まで1時間ほど待てば楽に入場できるだろうと安心したのだが、これがとんだ大間違いだった。8時半になっても9時半になっても美術館が開かないのだ!! 行列はどんどん長さを増し、そのうち予約客でさえも無予約者の列に匹敵しそうな長さの行列を作っている。イタリアという国の時間感覚のズレを甘く見ていた僕の誤算だった。結局開館したのは10時40分、そして開館と同時に入場できるのは当然ながら予約客で、僕らよりもずっと後に来た予約者たちが、どんどん入場していく。それでも、11時前になってようやく無予約者の先頭グループだった僕らも入場できたのだった。入り口に並んでから3時間半が経っていた。
 入場すると、空港と同じようにまず手荷物のエックス線検査があり、その後入場料を支払うようになっている。時間のルーズさにそぐわないそのセキュリティチェックの厳格さには閉口した。
 しかし、この美術館はすごい!! 驚くべきはまずその展示物の多さだ。なんと2500もの絵画、彫刻などの美術品があるのだそうだ。絵画の1枚1枚をゆっくり鑑賞しようものなら何日もかかってしまいそうなぐらい。作者の多彩さにも驚くばかりだが、ボッティチェリ、ラファエロ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなどのビッグネームもさりげなく混在している。かつてフィレンツェを支配したメディチ家の財力がどれほどだったか、その一端をこの豪華な絵画コレクションに見たような気がしたのだった。

 美術館を出た僕は、少しフィレンツェ近郊の街を見てみたくなり、また列車のチケットを購入してフィレンツェの隣にある街プラートまで足を伸ばしてみた。あちこちで日本人旅行者を見かけるフィレンツェとは違い、このプラートは静かな街で、日本人どころか街を歩く現地人さえもあまり多くはないといった印象。





 プラートの大聖堂まで歩くつもりでいたが、ここでまた僕の足は思うに任せない状態になってしまった。せっかく列車に乗ってプラートまで来たというのにこの始末、情けなかったが大聖堂は諦めてフィレンツェに戻り、駅地下のネットショップで過ごしながら足の回復を待つことにした。
 ネットショップについては後述するが、ここで2時間ほどかけてメールやブログ更新作業をした後、買い物をしようとタクシーでエッセルンガというスーパーに向かった。英語の通じないタクシー運転手とギクシャクしながらもなんとか目的のスーパーに到着、多少の意思の行き違いがあっても「Grazie!」と言えば必ず「Prego!」という大きな返事が返ってくるところが気持ちいい。
 イタリアのスーパー、少し日本と違うレジの通し方にも、レジ係のおばさんの無愛想さにも多少慣れてきている自分が面白い。数日前まで日本での平凡な暮らしにどっぷりと浸かっていた僕が、今日はイタリアの現地人にひとり混じって日常さながらに買い物をしている。その状況がなんとも滑稽で、それでいてどこか気持良く感じるのだった。
 店を出るともう陽は落ち、薄暗い空を映すアルノ川が綺麗だった。フィレンツェの夜、思えばこの夜は確かに日常のものではなく、もう二度と訪れないかもしれない旅路の夜。夕暮れの静かな空気の中しばらくアルノの川面を眺めながらこの旅の意義を考えていた。



 さあ、明日はいよいよ楽しみにしていたヴェニス行きだ。いつの間にか僕の旅は後半になっていた。

《フィレンツェのインターネットショップ》
 フィレンツェでは、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅の地下にあるインターネット・トレインというショップを利用した。今思うとこのお店はイタリアで訪れたネットショップの中では、最もサービスの質が高かった。日本語変換ソフトIMEが登録されており、カナはもちろんのこと、漢字も自由に使うことができる。僕にとって英作文は時間がかかるため、かなり効率が悪い。時間単位で料金を課されるネットショップではやはり母国語を使えるのが一番ありがたかった。また、このお店は大都市にチェーン展開しているそうで、利用者カードを発行してくれるため、購入した時間が余れば別の店でも残りを使えるという長所がある。

 
 次回へつづく・・・。

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